「…ティア、あなた…自分にくる縁談を全て断っているそうね」
ナタリアが、私の部屋に来るなり真剣な眼差しで言う
何を言い出すのかと思えばそのことか
私は小さく溜め息をついた
「…えぇ」
私が頷くと、彼女は考え込むような素振りを見せる
その表情を見ていれば、考えていることくらいは想像つく
多分、その脳裏に浮かんでいるのは彼―ルークのこと
私が自分にくる縁談を全て断っている理由を、彼のせいだと思っているのだろう
間違ってはいないけど
「…あなたは、いつまでそうするつもりですの?」
訊かなくても分かっているはずだけど
「…私、結婚するつもりなんてないもの。多分、一生このままね」
誰とも、出来る訳ないもの
ルークは私達のために、自分を犠牲にしたことになるのだから
「…やっぱり、ルークのせいですの?」
「…ルークのせいでもないし、ルークのためでもないわ。ただ」
「ただ?」
「…ただ私が、ずっとルークと一緒に生きるって…そう、決めたから」
ただ、自分のため
ただ、それだけ