「…帰ったよ、ティア」

飽きっぱなしの扉から、客室にいる、その人に声をかける
何か読んでいた冊子から顔を上げて、その人がこちらを向く
ブロンドの、長い髪がその動きに応じてなびいた

「…おかえりなさい、ルーク。意外と早かったのね」

穏やかに笑う
その笑顔に、一瞬見とれてすぐに我に返した

「…何、読んでたんだ?」

自分の中だけだが、話を入れ換えるが如く話を変える
その問いかけに、ティアは思い出したかのように手にしていた冊子を差し出した

「あなたに渡す物があったの」
「…俺の、日記…?」

見ると、それは自分が仲間宛てに残した日記
時間が経って、少し古びたような感じではあったが、それは確かに自分の日記だった

「…あなた、最後のページに書いてあるんだもの」

ふてくされたように、少し呆れて見せた
当の本人は、当然のように目を反らしている

「……ごめん」

しばらくの沈黙の後、ルークが口を開いた
反省したらしい声色に、ティアは頬を緩めた

「…や、俺ってヘタレだからさ。いざとなったら言えなくて…」

照れくさそうに、ルークは頭を掻く

「…でも、言って欲しかったわ。私は…」

続く言葉を呑み込むようにティアは目を伏せた
確か、最後に言葉を交したのはローレライ解放の時
その時、自分は言ったのだ
自分の本当の気持ちを
はっきりと自分の言葉で

「…聞いてたよ。だから、帰ってきたんだから」

ゆっくりと顔を近付け、唇を奪った

触れる唇の感触が、温かみを帯ていて
意識ははっきりとしていて、ゆっくりと目を閉じた

「…ふ…っ」

深い口付け
息が途切れて、間に間に声がもれた

「…ん」

やっと解放された時には、肩で息をしていた
けれど、そんなことを気にすることなく、互いの顔を見やり、はにかんだ

「…好きだよ、ティア」

言えなかった言葉を、やっと言えた
擦れ違うばかりだった二人がやっと近付けたと感じた

「…私も…好き、よ…ルーク」

確かめあうように影が重なった



END
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