「…にしても、ルーク。その髪はどうしたんだ?」

切って、短くしていたルークの赤い髪
それが、そこまでのびるほど時間も経っていないというのに、切る前の腰下辺りまで伸びていた

「…ああ」

思い出したかのようにルークはガイを見た
少しフインキが変わっていて、ガイは戸惑う

「…アッシュと…混同したみたいなんだ」
「…え?」
「エルドラントが崩落していく中で、アッシュを拾って…乖離して…その後気づいたらこうなってた」

自分の髪を見るように見上げて、言う

「…なら、アッシュは本当に…」

ナタリアが、問うように言った
その言葉の先を、皆は知っているので口を噤んだ

「…いや、大丈夫だよ。ナタリア」
「…どうしてそう言えるのです。アッシュは、あなたと同化してしまったのでしょう? でしたら…」

少し間を置いて沈黙を破ったのはルークで
何を言うのかと思えば、ナタリアに慰めと言えるのか分からない言葉
ナタリアは、半信半疑なのかルークを少々睨んでいて

「アッシュは…」

言葉を切って、間を置いた
皆が、次の言葉を待つようにルークを見る

「ここに居る」

ナタリアの胸元を指差して、ルークは言った
ナタリアは意図が読めなかったようで、首を傾げた
ティアと、ジェイドとガイは、意図が読めたのか微かに笑う

「…ルークらしいというか」

ガイは、笑いを含ませたまま言う

「忘れなけりゃ、ずっと居るってことだよ。ナタリア」
「たとえ、記憶の中でも忘れられてしまえばその人は本当の意味で死を迎えてしまいますからねぇ」
「私達が憶えておくことで、アッシュは記憶の中で生きていられるもの」

ルークの言葉を取り次ぐように三人が続けた

「…そうですわね。私が、憶えていないといけないのですわね」

分かったと言うように、ナタリアは空を見上げる

そこに、その人の顔を思い浮かべるように






――私達の記憶に残る彼方(アッシュ)と共に






END


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