21:儚き過去
22:優しいキス
23:視界に映るモノ
24:戸惑い
25:花束
26:片翼の天使
27:運命
28:隣り合わせ
29:君の、幸せ
30:愛のカケラ
31:言の葉
32:今を生きるアナタ
33:柵と鎖
34:アナタノトナリ
35:犠牲
36:消えない
兄との対決を終え、あなたを残して帰って来てから、 もう、二年が過ぎた―
タタル渓谷で、私はいつものように謳う。 いつ、あなたが帰ってきたとしても、私の居場所がわかるように。 その歌声は、渓谷を通り抜け、海原へと消えていった。 「…ティア」 「…ナタリア…」 ふと、後ろから声がして、振り返る。 私の視界に映ったのは、蒼いドレスを着た金髪の女性―ナタリア。 彼女は、どことなく不安そうな表情を浮かべている。 「…どうかした? ナタリア」 私は首を傾げながら彼女に尋ねる。
「…あなたは、辛くないのですか? ルークが帰って来ないと言うのに」
私は、一瞬答えに困って、浮かべていた笑みが苦笑に変わる。
「…辛くないと言えば…嘘になるわ。でも、約束したから。必ず、帰ってくるって…」
「…ですが」 ナタリアは何かを言いかけて、口を噤む。 その表情は、何を言えばいいのか迷っているようで。 「……でもね…」 私が口を開くと、ナタリアは私の方を向いて。 「…いっそ忘れてしまったほうが、どれだけ楽になるだろうって考えることがあるんだけど」 言葉を区切るように、私はナタリアを見る。 ナタリアは次の言葉を待っているようで。
「…消えないの。ルークの顔が」
ナタリアを安心させようと笑って見せるけど、果たしてどのくらい笑えていたのかしら。 ナタリアの表情を見る限り、笑えてなんかいなかったのだろうけど。 涙を浮かべるナタリアに、私は何も言えなかった。
* * *
エンディング後、二年経過した頃の話です。 ティアは待ってる間、ルークを忘れることはできなかったんだろうなぁ、と思い考え付きました。 ルークが帰って来るのはこれよりまだ一年も先のことですが、その間もずっとルークを想い、譜歌を歌い続けていくんでしょうね。
37:雪の降る夜
38:雨音
39:掌の温もり
ゆらゆらと、揺らめく真っ白な花畑の真ん中に、佇む。 争いなど、起こっていることなんか忘れ去ってしまえそうな、静けさ。 「…ここにいたんだ」 そんな、静けさの中に響く声。 その声に、花畑の中に佇んでいた少女―リリィナは振り返った。 「うん。ここが、一番落ち着くことができるから。カースは、どうしたの?」 「君を捜しに来たんだよ。急に居なくなったから、みんなが捜して来いってうるさくて。俺はここに居るんだろうって言ったんだけど」 そう、言いながらカースと呼ばれた少年は苦笑する。 リリィナは、つられたように笑う。 「それを言ったのは…メイさんでしょ?」 「うん。よくわかったね」 「私たちを、二人きりにしようとしてくれたんだよ。これから先、こんな風に時間を取ることなんかできないだろうから」 「…そうだね」 どこか哀しみを帯びた笑みを、遠く決戦の場所となる空に浮かぶ要塞に向ける。
40:ソラの色
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